Sky Guitar Limited Millennium Edition
 2004年に50本限定で一般販売が許された量産型スカイギター。17thストリート・ギターのデイヴ・レヴィン(Dave Levine)製作によるもので、U.J.ロート本人による審査に合格した物が、シリアル番号と証明書がつけられると同時に塗装が指定され、また所有者の名前に因んだ名称が与えられる予定だった。

 2004年6月頃から米国カリフォルニア州サンタ・モニカ(Santa Monika)にある17thストリート・ギター(17 TH STREET GUITARS)のジョン・カラザース(John Carruthers)とコンタクトを取り始め数本の試作を経た後に完成させたスカイギターの最終決定版と宣伝されたが、実際は工房側が接触を図り量産に適した仕様にした物で、 U. J.ロートは出来に満足していなかったとしている。

 エンペラーを元にした6単弦仕様及びマイティ・ウィングを元にした7単弦仕様の2種類でピックアップ及びコントロールにはメガ・ウィングシステムを採用。2005年1月20日〜23日にカリフォーニア州アナハイム(Anaheim)のアナハイム・コンベンション・センター(the Anaheim Convention Center)で開かれたNAMM(National Association of Music Merchants)主催による楽器の新作展示会NAMMショウのホールE、1576番ブースにて7単弦仕様が出品された。同機は展示のみで一般来場者が触れることは禁止とされていたようだが、業界関係者もしくはプロギタリストと見られる人物がベーシストのマイケル・マンリング(Michael Manring)とセッションしたことが確認されている。当初U.J.ロート本人も訪れてデモ演奏を行う予定だったが、アルバム制作作業のためにキャンセルされた。なお展示用ギターではEMG製のPUと4コントロール及び5セッティングセレクターが仮装填されており、この後イギリスに送られてメガ・ウィングが設置される予定だった。

 日本では2004年11月現在、Y.J.マルムスティーンやルドルフ・シェンカー(Rudolf Shenker)及びマイケル・シェンカー(Michael Shenker)兄弟が注文したとカラザース製ギターの輸入を行っていた業者が語っていたものの真偽のほどは不明。日本へは池部楽器リボレ秋葉原店に6単弦仕様、7単弦仕様それぞれ一本ずつ入荷されることになり、2005年12月現在6単弦仕様は既に予約済みとなっていたが実際に譲渡が実現したかは不明。2005年4月以降、17thストリートギターの公式サイトでは同ギターの項目がリンクを外されていおり、U.J.ロートによれば完成前に宣伝されたこと等を理由に契約を解除したとのこと。結局2〜3本製作されたのみということから販売譲渡実績は無いとみられるが、現在それらの所在は調査中。

―6単弦仕様―
 詳細不明だがエンペラーを元にしているということなので32f6単弦か。胴材は軽めのアルダー。PUはメガウィング。値段は直接購入が1万5000米ドル、日本への輸入店頭価格は350万円だが、実際に製造・販売がなされたかは不明。

―7単弦仕様―
 31f7単弦。28f以降全音間隔で4号機マイティ・ウィングの影響により1〜3列目は31f、4&5列目は30f、6&7列目は29f。胴材はマホガニー。棹はメイプル、指板はバーズアイメイプルと推測されフロントが無いためか響胴上に至ってもマイティ・ウィングより厚め。スカラップ加工の低音側23f高音側27f接続でヒールレス加工はされていない。ポジションマークは指板横側のみ。ペグは全てクルーソンタイプ。

 PUはリアのみの1PUでエスカッションの利用は見られない。アームは他のスカイギターに見られる直状ではなく一般的な屈曲型でテンション・スプリングは2本、カウンター・スプリングは無い。またマイティ・ウィングに見られるようなヘッド部の星形の飾り及び響胴部分のアクセサリーは施されていないがノブには青い装飾部品が添付されている。値段は直接購入が1万7000米ドル、日本での輸入店頭価格は380万円だが、実際に製造・販売がなされたのかは不明。NAMMで発表されたD.レヴィン製作の試作機の所在は調査中。

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