![]() 32f6単弦。ドイツ人ギタリストのヘルゲ・エンゲルケ(Helge Engelke)が第1期フェア・ウォーニング(FAIR WARNING)時代にニーダーザクセン州(Niedersachsen)ハノーファー(Hannover)のギター製作家トーマス・シュトラートマン(Thomas Stratmann)に依頼したもので1997年4月中旬完成。胴材はスワンプ・アッシュにカール・メイプル・トップから成り、21f接続のセットネックはマホガニー。 当時所有していたエンペラーを元所有者のU.J.ロートの要求により再譲渡する為、代替機として製作された。従って音域やフレット配置はエンペラーを踏襲しているが、音質面における基本スペックはH.エンゲルケが好んでいたシェクター製ハリウッドのカスタムモデルを基盤にしており、その他の詳細な点も独自の仕様に変わっている。スカイギターと誤解されることも多いがU.J.ロートや彼のスカイギターとは全く無関係。 響胴形状は座奏を可能にする為に高音弦側の響胴をカッタウェイと両立させながらギリギリまで残し、低音側のストラップピンや演奏時の肘の位置は変わらないように配慮している。結果響胴は通常のギターの正面を中央から上下にずらした形状になった。また、表面はアーチド・トップ加工がなされている。
指板はバーズアイ・メイプルで28f以降全音間隔、反りに対処した厚めの構造でPUのポールピースが指板に食い込んでいる。当初は12f以降のみスカラップ加工の変則型だったが、2001夏〜2006年夏頃に全フレットをスカラップにしている。 本来の響胴の彩色は透過白色のニトロラッカーで仕上げられた純白であるが、奏者のH.エンゲルケがヘヴィスモーカーな為に、現在は黄色く変色している。 因みにギターの名称はアメリカのSFドラマ「スタートレック(STAR TRECK)」に登場する宇宙船、エンタープライズ号の型式がNCC-1701シリーズであることに由来する。H番を付したのはギター所有者のファーストネーム、ヘルゲ(Helge)のHを指す。
※NCC I を聴くことの出来るCD【NCC-1701 II; NCC II 】 32f6単弦。27fより上は全音間隔。 1996年9月当時、高音部のサステインをより補うためにサスティナーを搭載させたモデルの開発意志がある旨を語っており、2001年12月頃既にドイツで製作に入っていることを明らかにしていた。フェルナンデス(FERNANDES)とコンタクトをとっていることから、フェルナンデス製のサスティナーを搭載するのはほぼ間違いないと思われていたが、2002年7月に完成したNCC II に外見上サスティナーを搭載させた形跡は見られない。指板下での配置等に通常のPUを上回る技術的課題があるために断念した可能性がある。 詳細な構成は不明だが、外見上はNCC I と同一に見える。ただし指板のスカラップ加工は7fより始まっている他、2006年10月現在では ブリッジ部の裏板は付けられていない、PU固定用のネジ穴と思われるものがフロント及びセンターの裏に開けられている、 ポジション・マークが全て黒に塗り潰されているといった1号機との違いが顕著になりつつある。H.エンゲルケによれば 今後も2号機は改良されていくとのこと。
※NCC II を聴くことの出来るCD |