Extended Fretboard Guitars

最終更新日:2009年10月19日


当サイトの原形となったスカイギターに関する情報を蓄積したコーナー。

 一般的な仕様より弦数またはフレット数を増やして音域を拡張したギターは
Extended Range Guitar/ Bassと呼ばれますが、ここでは弦数に関係なくフレット数に
着目して27f以上のギターをExtended Fretboard (Ex-F)ギターと敢えて定義、

   第Ⅰ章 Sky Guitars

   第Ⅱ章 Ex-F Guitars

   第Ⅲ章 Ex-F Bass Guitars

   第Ⅳ章 Temperament Guitars

  という形で話を進めていく予定です。どんなギターが登場するかは左の通りです。ココも新しい情報があれば柔軟に改造していくつもりなので情報等よろしくお願いします。

凡例
試験運用中
 ヨーロッパの主要な擦弦楽器の多用な名称と形態を区別しやすくするために便宜上 ヴァイオリン属を「ヴィオロン」、ガンバ属を「ヴィオル」とし、必要に応じて 音域(ソプラノ、アルト、テノール、バス、コントラバス等)、奏法(アルコ、マーノ、プレクトロ等)、 構え方(顎下夾挂、胸上抱撮、腕上抱撮、斜傾抱撮、股上横越、股上起立、膝臏夾立、地上起立)を付す事にする。 またこれまで他の楽器でも表記していたように 出力方法(アコースティック、エレクトリック等)、地名(国名、地方名、都市名等)、時代(ルネサンス、バロック、モダン等)も 付す。

 表記は順次改訂中。ただしこれらは暫定的なので今後不都合が生じれば改廃の可能性もあり。以下は変更例と事由。

ソプラニーノ・ヴィオロン
  ヴィオラ・ピッコラ、ポシェット等小型の高音楽器に使う可能性があるが 未定。
パル・ドゥシュ・ドゥ・ヴィオル→ソプラニーノ・ヴィオル
  フランス特有なのでパルドゥシュで問題ないが、音域表示を分かりやすく統一するため。

ヴァイオリン→ソプラノ・ヴィオロン
  通常は「ヴァイオリン」で十分だが、ヴィオロン、ヴィオリーノ、ディスカント・ガイク、ガイゲ等の表記が出てくる場合もあり、他の同属楽器と共通にヴィオロンで統一した。
ドゥシュ・ドゥ・ヴィオル→ソプラノ・ヴィオル
  ディスカント・ガンバ、ソプラノ・ガンバ等様々あるがヴィオルで統一した。

ヴィオラ→アルト・ヴィオロン
  通常は「ヴィオラ」で十分だが、弦楽器を広くヴィオラと言う場合や、ヴィオルでもヴィオラ・ダ・ガンバ という言い方をするため混乱回避目的で「ヴィオロン」を使用することにした。

  なおヴィオラ・ダモーレはヴィオロン系楽器だが同属合奏としての音域分類を 付すことがないので現時点では1つの固有名詞として処理する。

アルト・ヴィオル
  これまで通り。

テナー・ヴァイオリン→テノール・ヴィオロン
  現在は使われないがかつて存在していた。これもヴィオロンで統一する。

テノール・ヴィオル
  これまで通り。

チェロ→ヴィオロンチェロ
  チェロの正式名がヴィオロンチェロなため。これはヴィオロンではなく ヴィオラの拡大形ヴィオローネの語幹だが、ヴァイオリンで統一せずヴィオロンで統一するのは この楽器と表記上共通して分かりやすいので。

ヴィオルチェロという楽器は現在のところ確認されず。
なおバスと近いものではヴィオラ・バスタルダがあるが、現時点では1つの固有名詞として 処理する。 バリトンまたはヴィオラ・ディ・ボルドーネについては 合奏時のバスとテノールの間というよりは多弦バス・ヴィオルといった楽器なので 現時点ではヴィオラ・ディ・ボルドーネと表記しておく。
バス・ヴァイオリン→バス・ヴィオロン
  バス・ド・ヴィオロンbasse de violon自体はコントラバスを指す場合もあるが、チェロとコントラバスの間の楽器に使用。

ヴィオラ・ダ・ガンバ→バス・ヴィオル
  上記の通りヴィオラという言葉が曖昧、またガンバが単に構え方を表すだけなのでヴィオルに統一する。

コントラバス→コントラバス・ヴィオロン
  ヴィオローネが大型のヴィオラ・ダ・ガンバを指す場合と大型のヴィオラ・ダ・ブラッチョを指す場合があり、 ヴィオロネロというヴィオローネなのかヴィオロンチェロなのかヴィオラ・ダ・ガンバなのか分からない名称も存在するため、 またコントラバスとつく楽器は他の弦楽器や管楽器にも存在するため明確にすることにした。

ヴィオローネ→コントラバス・ヴィオル
  左記の通りヴィオルでない場合もあること、また膝を使って構えるヴィオラ・ダ・ガンバとも区別するため。

 構え方に関してはヴィオルやヴィオロンでガンバ、ブラッチョ、スパッラ等、ギターでスパニッシュ・スタイル、ハワイアン・スタイル といった表現があるもの、他の種別とカタカナ表記が連続して長くなることや、特定機種の想起回避・楽器全体での普遍性惹起目的で、 顎下夾挂、胸上抱撮、腕上抱撮、斜傾抱撮、股上横越、股上起立、膝臏夾立、地上起立といった名称で区別する。

顎下夾挂 顎の下で挟んで固定する。現代ヴァイオリンで一般的に行われている方法など。
胸上抱撮 楽器の響胴を胸~肩部に押し当てて保持する方法。ヴィオロンの一部で「肩」を意味するスパッラという言葉が 使用されるが、肩で保持することを意図したというよりは胸に掲げた物がその大きさ故に自然と肩口にかかっただけなので、 有棹撥弦楽器でストラップを使わずに保持する際行われることがある胸部での抱撮と一括する。
腕上抱撮 胸上抱撮を小型の楽器で行った場合に生じる抱撮。「腕」を意味するブラッチョは腕上抱撮と胸上抱撮の場合があり、 適宜区別するが、一括する場合は胸腕上抱撮とする。
斜傾抱撮 ストラップ等で吊るしてしまう場合は斜挂と呼ばれることもあるが、楽器によっては坐奏で股上に置かれる 場合もあり、また ギターではスパニッシュ・スタイルSpanish Styleと呼ばれるものだが、これはハワイアン・スタイルとの対比で使われた語彙で、実際はスペイン特有という訳でもなく広く利用されている方法故に 有棹楽器を斜めに構える方法の総称としては斜傾抱撮とする。 また起立式ヴィオロン等でも斜めに構えられる場合があるので必要に応じて使用する。
股上横越 ギターではハワイアン・スタイルHawaiian Styleと呼ばれる物だがハワイ音楽以外にも利用される為誤解を避けて、坐奏で楽器を水平に寝かせて太腿の上に置いて使用する場合の総称として股上横越を利用する。英語ではラップトップLap-topと呼ばれることもある。
股上起立 股の上で桿棹を立てて構える場合。胡座の状態で足の上に楽器を立てる場合や「足」を意味するガンバで呼ばれる楽器のうち小型のもので 行われる太腿の上に楽器を立てて構える場合等が該当する。
膝臏夾立 膝で挟んで楽器を立てて坐奏する楽器に使用する。ガンバと呼ばれる楽器のうち中型のものが該当。また膝を固定に利用する場合は脚棒の有無に 関わらず使用するので、膝を使う類のヴィオロンチェロやラバーブ等も該当する。
地上起立 床、地面に直接または短い脚棒を使って直立させて使用する場合。ガンバで呼ばれる楽器のうち大型のものや、大型のヴィオロン、バララーイカ等が該当する。

音域表示・・・楽器や環境ごとに様々な表示法が混在しているので本稿では全てMIDI等でも使用しているA4=440.000Hz、ピアノの中央ド(Middle C)をC4=261.626HzとするScientific Pitch Notationで統一した。
88鍵ピアノ及び標準調弦22fギターにおける音域表示対照表
A4=440HzSPN英式伊式独式和式
最高音ドC8c'''''do 7c五点ハ
C7C''''do 6C⁴四点ハ
1弦22fD6d'''re 5三点ニ
C6c'''do 5三点ハ
C5c''do 4二点ハ
1弦開放E4e'mi 3一点ホ
中央ドC4c'do 3一点ハ
C3cdo 2c
6弦開放E2Emi 1E
C2Cdo 1C
C1CCdo -1C₁二点は
最低音ラA0AAAla -2A₂三点い
C0CCCdo -2C₂三点は


※各楽器や環境、調律ごとのローカルな表示法と差異がある場合は混同に注意。
 例えば鍵盤で中央ドをC3とする表示法では88鍵ピアノ最低音はA-1となる。これはオルガン製造業者で使われていたとのことで詳細確認中。

 ギターの所謂「半音下げ(E調弦)」の場合A4を基準にしてA=415.305Hzとする。また 管楽器の場合では例えばB管のトランペットにおけるd'がC4に相当する。 古楽器における各種調律も考え方は同様。

 移調に関して厳密には平均率のズレの問題等も生じるがここでは割愛。

 独式=Helmholtz方式。

f ・・・フレット(Fret)。例) 27f=27フレット。
Pickups・・・PUと略し、日本式にNeck pickupを「フロント」、Middle pickupを「センター」、Bridge pickupを「リア」と記載する。
弦の名称・・・弦楽器の場合、各楽器の最高音弦をシャントレル (Chanterelle)、最低音弦をブルドン(Bourdon) と表記する。
弦の数え方・・・ 本稿では楽器の多様な状態に一律に対処 するため、1本ずつ独立している場合「単弦(Tangen = Single-string)」、2本1組の場合「複弦(Fukugen = Double-string)」と明記し、仕様の説明はこれら機能上の数に準拠する。 従って弦が12本あっても機能上2本1組の場合は「12弦ギター」とは呼ばずに「6複弦ギター」となり、1本ずつ独立している場合は「12単弦 ギター」となる。3本1組やそれ以上のものについては「(漢数字)+重弦(Jyūgen = (Digit of Chinese-character) + Multi-string)」と表示。例えば4本1組で20本の楽器は「5四重弦」。 その他、複弦と単弦の組み合わさった物等に関してはその都度説明を入れる。
 単複を具体的に限定せず機能単位の総数のみを示す場合は「コース(Course)」を用いる。 一般的にはコースを複弦等で用い単弦には使用しないが、本稿では全てに適用する。
 また弦の位置を表す場合は、通常「弦」と「コース」が混在することから混乱を避けるため「列目(Retsume = (Ordinal-number) + Line)」で統一する。数字の基点は 一般的なギターと同様、演奏時の目線に対して最も遠い物からとするが、楽器によって慣習が違う場合はその都度説明を入れる。 この他必要に応じて個別に開放弦の音程を用いて表すこともある。

 なお、指板上にあって押弦する物は「主弦」、指板上にあっても押弦に使わない物は「ドローン弦」、 指板からはみ出たものは「浮遊弦」と表記した。

備考:人物名の敬称は略。
 画面表示について